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2018.10.14 雨と紅葉

紅葉の山々が雨に濡れている
1匹でるかどうかの支笏湖を敬遠して、数が出る小渓流へ車を寄せていた
道脇では赤く色づいた楓の葉が、しっとりと濡れている
天気は雨、降ったり止んだりの繰り返しで、終始肌寒い1日だった


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秋の虹鱒釣り
ライズを探しての釣りは早々に諦めた
フラットな流れに出てきてライズする鱒は不在のようで、
反応があるのは少し早めの流れからだった

2つの渓流でゆったりと半日を過ごした
自宅から1時間弱の、体にも財布にも優しい距離での釣りが多くなったのは、日々疲れているのだろうか

少し物足りなさを感じているけど、紅葉の渓流で数匹の虹鱒をリリースできたのだから、いい休日を過ごせたように思う


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次回は支笏湖、ドキドキしながら大鱒と対峙したいと願っている
日中になるか夜になるかは分からないけど、なぜか頭の中のイメージは、月明かりが湖面を照らしていた





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by kaki1225h | 2018-10-14 17:24 | Comments(2)

2018.9.24 時雨

虹鱒の秋
フラットな流れでライズする大型の虹鱒と対峙する、そんなドキドキ感が恋しくて、久しぶりに釣りに出かける予定を組んだ

50とか60とか、そんなサイズが潜む渓流は週末ともなると競争率が高くて、おちおちライズなんて待ってられやしない
ゆったりスタイルとなったここ数年は、そんな激戦区は敬遠するようになった

昔、友人に教えてもらった渓谷に車を走らせる
橋の上に車を止めて眼下を覗きこむと、やや渇水した流れが霧に霞んでいた

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この日訪れたチャンス1度だけ、
ライズはしなかったけど、ブラインドで投げた小さなカディスパターンにモコッと水面が割れた
この川で釣れる虹鱒は大きくても40台後半まで、それ以上のは釣ったことも聞いたこともなかったけど、いま目の前でジャンプを繰り返している魚体はどう見ても50クラスだ
慎重に慎重にやり取りしのたけど、最後は5Xのティペットがプツンと切れてしまった
写真を撮ってる場合ではなかったと悔やんでしまう


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その後は車で上流に移動するも、一時だけ降った雨の影響なのか川の色が一気に変わった
少し目を離しただけの間に、透明だった流れが白っぽくなっていたのは驚いた
ここは函状で、何度か流れを横断しながら釣り上がってきたものだから、事は急を要する
川底が見えないが渡るしかない、そんな場面を数回繰り返し、
橋に登る斜面まで辿り着いた
明らかに水が増えている
たいした雨ではなかったけど、きっと源流部ではそれなりの量が降ったのだろう

川原では小型の熊の足跡にドキリとし、林道ではこれまで見たこともないほどの巨大な熊の糞を見て背筋が伸びた

帰りの道中、
怖いもの知らずで釣りをしていた若い頃の自分をなんとなく思い出していた


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by kaki1225h | 2018-09-25 07:31 | Comments(6)

2018.9.2 小渓流

今日は小渓流
自宅からそう遠くない距離で軽くロッドを振れる、そんな川を探して車を走らせてのことだ

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ひとつ目の新規開拓の川は空振り
渓相は抜群で、川底の石をはぐると川虫がたくさんついてるけど、なぜか魚は1匹も反応しなかった
今日は遅めのスタートだったから、誰かが釣りをした後だったのかも…
もし機会があったなら、また訪れてみようと思う

ふたつ目の川は、ヤマメ狙いによく入った川
やや上流域の初めて入る区間を歩いてみる
きっと水量はいつもより多いのだろう
川幅いっぱいに押しの強い水が流れていて、終始、川の中を歩いての釣りだった
3番のロッドでドライフライを落としていく

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大きな魚は期待してはいけない
小渓流の釣りでは、小さなサイズを繊細に狙うのが流儀となっている
出てくるのは全てニジマスだった
小渓流に似合わないサイズもいたけど、フライを見切ったのか反転して去っていった

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軽くロッドを振りたい
そんな時があったなら、またここを訪れてみようと思う



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by kaki1225h | 2018-09-02 16:48 | Comments(4)

2018.7.20 2匹の岩魚

やっぱりまだ水が多かった
数日は雨が降ってなかったけど、長雨の増水の名残で、岸は無くなっており、流れも早い
今シーズン2度目になる岩魚の川は、釣りになるギリギリの状況だった


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いつも歩いていた川原がなく、川通しで進む
水はクリアだ
流れの穏やかな深瀬を見つけて、ラインを引き出した


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キラキラした流れ、大きなドライフライ、そして注文通りの岩魚
2匹目はメジャーをあてると50㎝、理想的な釣りだった


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川幅が狭くなるにつれて流れが強くなる
川縁を慎重に歩いていく
ウェーダーの右足に違和感、どうやら穴が開いたようでじんわりと浸水している
夏の渓流では4~5000円の安いウェーダーを履いている。
どこかから水漏れしたら買い替えで、少なくてもワンシーズンに1着は購入となっている。
高価なものは丈夫で長持ちするのかもしれないけど、渓歩きでは何となく勿体ない気がして、今のスタイルに落ち着いてしまっている
14時。どうしても川を渡れないところがあり、林道に上がった
釣り人のプレッシャーがかかってない増水から平水に戻るチャンスタイムなのだから、まだまだ釣れそうだったけど、何となく車へ向かって歩いていた

ウェーダーの浸水が理由じゃなく、満足したからだと思う
好きな川でロッドを振り、大きな岩魚が2匹
これ以上求めるものは何もない、乾いた林道を歩きながらそんな思いにひたっていた


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IT 354.16

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by kaki1225h | 2018-07-20 17:25 | Comments(4)

2018.7.14 増水の川で

大きな水害が各地で発生している
北海道内の河川も氾濫注意報や浸水想定のエリアが報じられたりして、釣りに出かけるのはちょっと躊躇ってしまう
ニュースで見た『ライフラインを脅かす豪雨』のテロップがフライラインに見えてしまって、つい1ヶ月も釣りをしてないことを思い出す

降雨の少ないエリアを選んで、車を走らせたのは金曜の夜のことだ

目的の岩魚の川は想像以上の水の量、大きく移動して第二候補の川でロッドを振った


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増水した流れを避けて、かなり上流まで来ている
水は多いが濁りは薄い
♯4のロッドでニンフを流すと、ポツポツと渓魚達が反応してくれた


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足下の石からカナヘビが顔を出した
後で知ったのだけど、尾が青いのはニホントカゲの子供らしい
捕まえて飼いたい、そんなことを少し考えたら、危険を察知したのかシュルシュルッと草の中に去っていった


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大きな蜘蛛が顔の近くにぶら下がっていたり、毒々しい色の毛虫が袖についていたりと、苦手な虫だらけな釣りだったけど、ロッドを振れて鱒に触れることができた

明日からは雨、
つかの間の青空に湿った風を感じた



IT  354.23


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by kaki1225h | 2018-07-14 19:39 | Comments(4)

2017.9.23  思い出の川

昔、通った懐かしいフィールド、
今年の夏は、そんな川へ車を走らせる週末が多かったように思う
川の変貌にがっかりすることもあれば、あの時のままの流れが目の前に広がっていることもある


9月も終盤にさしかかる頃、
山あいの町でひんやりとした朝を肌で感じていた
10年以上もご無沙汰していた渓流に一歩踏み入ると、若かれし頃のドキドキ感が甦ってきて、体まで若くなったような気がした


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見通しの悪い林道のカーブを曲がると、古びた橋が現れる
少し錆びた赤い欄干を見ると、この川に来たんだなぁと 高揚感をおぼえた
当時は虹鱒の40がどうしても釣れなくて、あちこちの川に顔を出したものだった
この川もそのひとつ、降雨後の濁りの中で、待望の虹鱒と出会ったのを今でも鮮明に覚えている
橋の中央には熊の糞、あまりにもど真ん中に鎮座しているものだから、なにか警告のような意味合いを感じたけど、足は止めなかった
この川の今を確めたい気持ちでいっぱいだったのだと思う


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橋から川までの斜面はかなりの落差、降りていくルートは昔のままだ、慎重に慎重に歩を進めた
思った以上に濁りが強い。少しだけ歩き、少しだけロッドを振った

正直言うと橋の上に立った時には、水の色を見て釣りは無理だと分かっていた
この川に辿り着くまでの峠道や山間の町にある小さな商店はあの頃のままだったし、確かめるようにロッドも数回振ったし…
思い出の川が、遠い思い出の川になり、そしてたぶん今回が最後かも
もしまた来ることがあったなら、その時は紅葉の時期にでも、そっと訪れてみようと思っている



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by kaki1225h | 2017-09-26 20:40 | Comments(4)

2017.8.13 3番ロッド

ブラウン主体、たまにヤマメ。昔よく通った渓流の話だ。
身近な川なのに、何年振りになるのかも分からないほどご無沙汰している。
コンクリートの護岸ができてアプローチしやすくなってからは、駐車スペースにいつも2~3台の車を見るようになり、その頃から足が遠のいていた

自分にとっては8月は樺太鱒を追いかけたり、岩魚の谷で涼むのが正しい夏のあり方なのだけど、なんとなく、ふらっと車を走らせていた

道中、リアガラスに初心者マークを貼った車を煽ってる車を見る。過去に免許取消になった自分が言うのもおこがましいけど、後ろにベッタリくっついてないで、さっさと追い越せばいいのに…
もし自分がやられたら、減速して追突させて、首が痛いと1週間会社を休んでオホーツクか知床あたりへ…
そんなことを考えていたら駐車スペースを通り過ぎていた



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肌に小雨を感じる
白く霞んだ森は冷気に満ちていた

今日は物置で埃をかぶっていた3番のロッドを持ってきた。昔、この川に通っていた時の相棒だ。
あの頃は何処で何を釣るにも3番だった。というより3番しか持っていなかった(笑)

さほど大きくないこの流れに多くの釣り師が訪れるものだから、鱒の警戒心は高めだ。
出ない時は徹底して出ない。今日はボンズの覚悟も持ってきている。



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ヤマメを想定してリーダー&ティペットは5X、そんな時に限って滅多に出ない55㎝が姿を現す。
3番ロッドにはずいぶん無理ばかりさせてきたけど、今回がいちばんの大仕事だったと思う


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前日の降雨で活性があがったのか、ヤマメも数匹リリースすることができた。
最後にメジャーをあててみると29㎝、20㎝弱と思っていたのに…
55のブラウンが大きさの感覚を麻痺させたらしい。リリースした中にはもっと大きいのがいたような…

今日は10年前からある新品の6Xティペットを引っ張り出してきていた。使う機会がなくお蔵入りになってたけど、5Xですら結ぶのが危うく、やっぱり出番はなかった。
1Xとか2X、そろそろそんな釣りが恋しく感じている


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by kaki1225h | 2017-08-13 15:01 | Comments(4)

2017.7.23 熊と出会った日

『必ず起きる』
前日、寝坊して釣りを諦めたこともあり、固い決意をもって目覚ましは2つセットした。
結果、気持ちが入りすぎて一睡も出来ずに家を出てしまったのが少し悔やまれる。
川に下りていく道程で既に足下がふらふらしていて、
帰りの長い長い林道歩きが今から不安でしょうがなかった。

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昨年、北海道を襲ったいくつかの台風の影響は多大で、
行く先々でフィールドの変貌を見てきた。
この川も相当な被害を被ったらしく、
50や60クラスが潜んでいた大場所は力ない流れに変わっていた。

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1年を通して湖でのリトリーブの釣りや、
本流域でのスイングの釣りを好んでいる。
たまに訪れる川の上流域での釣り上がりは、
ドラッグがかかったりだとか、水を吸ったフライが浮かないだとか、
いちいち対処するのが面倒でついつい雑な釣りになってしまう。
はやる気持ちを抑えて岩に腰かけてティペットを足したり、
フロータントを使い分けたりしてるうちに、
ゆったりした気持ちで楽しむのが正しいフライのあり方なのだなぁと、ひとり勝手に納得していた。

5時間は釣り上がったけど、ドライフライには躊躇した出方をするし、フッキングもしない。
9割がニンフを沈めてのヒットだった。
小型が主体だけど40クラスには4度もハラハラさせてもらったのだから、いい時間を過ごせたと思う。
その後、誰もいない筈の上流からフライマンが二人も下りてきたから、
林道を通って自分の上に入ったのだろう。
知らぬ間に3番手になっていたらしいけど、
お陰でニンフの釣りを楽しめた気がする。


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これまで様々なフィールドを釣り歩いてきたけど、
ここ以上に熊の気配が濃い場所を他に知らない。
知床の渡船の釣りも熊の縄張りの中でだったけど、
いつも10人前後の釣り人が周りにいるし、
少し沖の船上では頼りになる船長が目を光らせてくれていたので安心感があった。
だけど、ここでは頼れるのは自分だけ、何があってもだ。

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この川は林道が怖い。
熊の糞は4~5つは必ず見かけるし、友人二人はそれぞれ熊に遭遇している。
小雨降る森深くは霧で霞んでいて、
思わずカウンターアソールトの安全ピンを外したのだが、
その直後に熊と出会うことになる。
腰につけた鈴のジャリンジャリンの音とともに林道のカーブにさしかかると、
30m程先の道に真っ黒なものが…。
こちらが足を止めると同時にその頭部がくるりとこちらを向く。
あまりに真っ黒すぎて目も鼻も口も分からなかったけど、
頭の上の大きな耳が2つ、やけに目に残った。
熊はすぐに川と反対側の藪の中に去って行ったけど、
その道を通らないと帰れない。
遠くへ追い払おうと大きな声で『コレカラ トオルヨー』と叫ぶと、
今度は川側の藪がバサバサと揺れて何やら鳴き声が聞こえた。
状況が飲み込めないまま後退
脱渓した川原に繋がる沢まで後戻りし、
川通しに歩いた。
何度も何度も横を後ろを振り返りながらだ。
只でさえ長い道程なのに、後戻りしたり、斜面を何度も登ったり下りたり…。

今回もまた帰りの車の中で脚がつりそうになっている。



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by kaki1225h | 2017-07-24 00:39 | Comments(6)

2017.7.15 45回目の夏

夏の日の休日、夏らしい釣りをしようと川の上流域へ車を走らせた。思えば自分の釣りは寒風に吹かれながら凍えた指先でリトリーブ…そんなことばかりをやってきた気がするので、夏の釣りをもっと楽しんでみようと思う。

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崩れた林道は途中で通行止め、そこからは車を乗り捨て、歩きだ。林道は大破してたけど、渓相は思ったほど荒れてはいない。頭の上から足の先まで汗だくになるのは夏の釣りならではだと感じるし、顔の周りにしつこくまとわりつく蚊や羽虫を払うことにもさえ夏を感じている。
例年、鱒がついている1級ポイントに大きなドライフライを浮かべていく。3Xリーダーにティペットは4Xだ。太っ!と驚かれることもあるが最近では2Xリーダーに3Xティペットでもいいかなと本気で考えている。
ふたつめの1級ポイントにさしかかった時、牛のような鳴き声が続けて2回耳に入る。先程、釣り上がってきた下流の方からだ。そう言えば動物園のような匂いがしてたっけ。友人の話を思い出す…この川で釣りをしていたら上流を大きな熊が横切っていったと。近くに牧場なんてないし、もしかしたら林道を走る車の走行音か、遠くで雷が鳴った音かも…いろいろ考えてみるけど通行止めと青空がそれは違うと言っている。熊だと考えて行動するのがベストだろう。だけど車は下流で、鳴き声は林道側から聞こえてきたから、その林道にあがるまでの長い長い藪こぎはちょっと怖い。出た結論はそのまま釣り上がる、ペースをあげて、だった。目の前のポイントに止せばいいのに2投だけして、こんな時に限って出た鱒には逃げられて、そそくさと上流へ歩を進めた。
川底の石に足を取られながらしばらく歩き、水深のあるとろっとした流れに辿り着く。現金なものでそんなポイントを前にするともう熊の心配は頭の片隅に追いやっていた。

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出てくる鱒は川底の岩盤に同化したように白っぽい背中をしている、この川ならではの岩魚だ。40~45がここでのアベレージで、時には50台も水面を割って出る。そんな大鱒はあと一息のところでスポッとフックが外れてしまって天を仰いだり、ティペットが切れてしまい膝から崩れ落ちたり…ことごとく鱒に軍配があがってしまった。フライがついたまま逃げた鱒はフックがバーブレスだったのがせめてもの救いだ。早くに外れてくれることを切に願う。

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40歳を過ぎたあたりから、釣りに出かけた時の疲労が数日は抜けなくなった。最近では釣りの最中に言うことを聞かないパーツが増えてきて弱気になってくる。職場の健康診断では必ず一つ二つは要注意だとか要検査の欄に記号がついてくるし…。今では世間の悪者扱いになっている煙草も止めれないのにこんな事を思うのは勝手だけど、せめて子供達が親に頼らなくなる年齢になるまでは、この体よもってくれと切に願う。
そしてやっぱり帰りの運転中に脚がつりそうになり、休憩を2回とった。そんな45回目の夏が過ぎようとしている。


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by kaki1225h | 2017-07-15 23:20 | Comments(6)

2017.7.9 幽谷で過ごした夏の日

夜のうちに道の駅に車を滑りませた。大岩魚の幽谷を訪れるのは2年振り。眠りに落ちる前、まぶたの奥深くで懐かしい風景が浮かんでは消えていく…  森の色を映しこんだ流れはキラキラした瀬になったり、グリーン色の淵になったり、時には岩盤にぶつかり大きくその向きを変えたり…。昔の人はよく人生を川の流れに例えたようだけど、もしそうなら愛しい子供達はきっと源流部の不純物のない澄んだ流れなのだと思う。一方で自分はまもなく海が近づいてきているあたりになるのだろうか…。濁りもあればゴミの二つ三つも浮いているのかもしれない。薄れていく意識の中で波の音がザザーンと寄せて返した。

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夏。ただでさえ短い夏シーズンの中で、釣りに来れるのは僅か数日なのだろう…10回位か、もしかしたら2~3日かもしれない。そんな事を考えると、夏を全身で感じたいと思う。燃えるような太陽を、心地良いそよ風を、うだるような暑さもだ。だけど、首の後ろや鼻の頭が日に焼けてジリジリ痛むのは嫌だから、かみさんの日焼け止めクリームをこっそり塗り塗りしてきた。なにやら高価そうだったので、ばれないようにこっそりとだ。
早朝。道路脇の駐車スペースから谷を見下ろし、その変貌に驚く。昨年の相次ぐ台風による痕跡なのだろうか、川に覆い被さる木々は無くなっており、淵は消えていた。本来は道路にあるべきの標識らしきものが岩盤の上に横たわっている。岩盤に挟まれた渓谷なのだから氾濫した流れは周辺全てを押し流したのだろう。しばらく釣り進むと橋の一部が斜面の中腹に引っ掛かっている。終了地点にしていた小さな橋が見えた、予想通り柱だけだったけど。
大岩魚達が潜むような流れはひとつも残ってなく、ちょっとした深みでは、小さな岩魚が大きすぎるフライを争うように追う姿があるだけだった。ほとんど人の手が入っていない渓谷なのだから、壊れては再生し、を繰り返してきたのだろう、長い長い年月をかけて。
宝物をひとつ失ったような喪失感をようやく受け入れると、これまでの感謝の気持ちが溢れてきて、訳もなく橋の柱をポンポンと2回たたいた。


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by kaki1225h | 2017-07-09 14:55 | Comments(0)