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2018.5.10 支笏湖.二夜目

夜なら簡単に釣れる
そう思っていたのは何年も前の話で、まだ夜の支笏湖に入門する前のことだ
夜の湖畔に立つ勇気は友人にもらったけど、いざロッドを振ってみると、真っ暗の無反応タイムがただただ長く続くだけだった
その後は少しディープなゾーンまで歩を伸ばし、非日常の世界にどっぷり腰をおとしているが、お魚にはそんなに出会えていない

夜な夜な敗戦を重ねて、今では目が利く日中のほうが釣れるとさえ思い始めている

そんな夜の支笏湖、今シーズン二夜目
黒い湖水が音もなく揺れていた



2018.5.10 支笏湖.二夜目_e0363490_11390726.jpg



鳥は1羽も鳴いていない
森の中からはいつも感じるザワザワとした気配
パキーン、
背後の何処かから枝が折れる音が高らかに響いた
とても後ろを振り返れない、ひたすら湖と向き合うしかなかった


2018.5.10 支笏湖.二夜目_e0363490_21541811.jpg



シングルロッドにフローティングライン、
水面の少し下を丁寧に探っていく
たとえ鱒がボトムにいてもフライの存在に気がつく筈、それくらい大きなフライを結んだ

何も起こらない静かな時間が過ぎていく
不意にロッドのパット部にコツーンと何かがあたる
リールがついている少し上あたりだ
あたった何かと自分との距離があまりに近すぎて、微動だにできなかった
『コウモリがラインにあたってくる』
昔、夜のルアー師に聞いた言葉が頭をめぐる

コウモリがロッドに頭をぶつけた、そう思うと少し気持ちが楽になった気がした


1時間半を費やした岩場の岬に見切りをつけ、移動を決意する
嫌な気配だけはたっぷりあるのに、鱒の気配だけは終始無かった
徒歩移動で何度か鱒をかけている倒木ポイントへ
あまりに暗すぎて何処に倒木があるんだか分からない
勘を頼りにキャスト、そろりそろりとリトリーブしてみたり、放っておいたり…
カポン
フライのある辺りから聞こえた水面が割れる音にロッドを立ててみる
ラインが重い。8番のロッドが2回大きくしなってフッと重みが消えた
その後にもダパーンとライズ音が響くが、フライが届かない沖の方からだった
今夜の反応はそれっきり

釣りに集中できない、そんな夜が更けていった



Commented by koikoi at 2018-05-12 07:33 x
シコナイトお疲れ様です。
静寂の中に境界線があり
そこが釣り人と鱒のなんともいえない
ラインなんでしょうね~~
私はバキッで心おれてしまいますわ(^_^;)
Commented by かきさん at 2018-05-12 19:41 x
koikoiさん、こんにちは。相変わらず不発の夜が続いてます。魚はいるんですけどね~難しいです。最近、動物だらけです(笑)
by kaki1225h | 2018-05-11 23:09 | Comments(2)