2018.6.19 支笏湖.霧の夜

暮れゆく空を見ている
霧におおわれた湖が薄いグレー色に変わっていくと、ざわざわと生命感が動き出すのを感じた


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今では、すっかり日が落ちるのは20時くらい
仕事を19時に切り上げると、湖畔に着く頃にはうっすらと明かりが残っている
実はこの時に釣れてしまうことがたまにあって、そんな時はナイト突入前にロッドを畳んでいる
『ナイトで釣る』、そんなこだわりが芽生えてからは、イブニングはやり過ごし、夜を待つようになった
数歩歩くのも困難な真っ暗闇の中で、フライフィッシングをする…そんなトラブルだらけの難しい釣りに、楽しみを見出だしている今日この頃だ


湾の中央にさしかかる頃には霧は雨に変わっていた
湖面は凪
暗闇の中、雨が音もなく肌を濡らし続けた


人は視覚が無くなると、耳が冴えてくると聞いたことがある
いまさっきのことだ。耳元で呼吸のような息づかいが聞こえて戸惑っている
息をスーッと吸ってハァーと吐く、後者の吐くほうの音だ
今夜は感覚が冴えすぎていて、自分の呼吸音が何かに反響し、それを拾ったのだと思うことにする
夜は分からないことだらけで困ってしまうのだけど、そんな時は『この世に科学で解明できない事はない』と、普段は考えたことすらない文言を持ち出しては自分を保っている


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大きく徒歩移動し、岩場の岬にきた
シトシトとまとわりつくような雨が止むと、右からの風が湖面を揺らし始める
フライを小刻みに動かした直後にガボッの音、
ラインを引くと、ずっしりと重い
重さを計るようにロッドを立てると、勢いよくラインが持っていかれた
リールからラインがどんどん出ていく
寄せて走られて、更にラインが出ていく
何かおかしい…
首を振る感触が伝わってこないものだから虹鱒かと思ったけど、ライトが照らしたのは45㎝程のブラウン、胸ビレのあたりにスレがかりしていた
十分ドキドキさせてはもらったけど、あまりに落胆が大きくて、もうロッドを振る気持ちにはならなかった


車までの帰り道、
さわさわと風が鳴り、木の葉がひとつふたつ、はらりと舞い落ちた




シングル#8 フローティング
ティペット フロロ2X


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# by kaki1225h | 2018-06-19 23:59 | Comments(4)

2018.5.22 支笏湖.凪の夜

対岸の山々がシルエットに変わった
星はひとつだけ光っている
夕暮れはゆっくりと夜へと変わっていった


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一年中好きなだけ釣りをしていたい、そう思っていた頃もあったけど、いつしかそんな思いは無くなっていた
10年程前だ。仕事をやめ、次の仕事が見つかるまでの半年間、釣りだけに没頭したことがある
有給休暇の消化と数ヶ月間の失業保険、さらに退職金も振り込まれていて、すぐに働く気持ちにはなれなかった。
初夏だった
リフレッシュ期間だと決めつけて、来る日も来る日も釣りに明け暮れていた
だけど、心の底に常に何かが引っかかっていて、釣りの帰りはひどく罪悪感がおしよせたものだった
家族や親族、知人の目が気になるし、社会復帰できるかどうかも不安の種で、どこで何をしていても据わりが悪かった
あの頃のことを思うと、たまに手に入る休日や仕事後の一時にロッドを振るのが何より幸せなんだとつくづく思う


波ひとつない湖水に立ち、そんな思いに更けっていた
できれば湖に立ちこみたくはないけど、背後には木々が覆い被さっている筈
膝上まで立ち込み、オーバーヘッドでキャスト。10m先のブレイクゾーンの手前にフライをおとす。
リーダーは12フィート、ブレイクにいる鱒からはフライラインは見えないだろう
夜は鱒が近くにいることが多い。鱒の頭上にラインを置かないようショートなキャストを心がけた
いれば出る
そう思うことで、緊張感をつないでいる

反応がなければ次々と進んでいくとしよう


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通り過ぎたポイントから、重いライズ音が聞こえてくる。そんなことが数回あった
凪の夜は人の気配が伝わってしまうのか、射程圏内でのライズは終始なかった
静かな夜の森
一羽の鳥が鳴くと、他の鳥も鳴きはじめる、同時にライズの音も何処かから聞こえてきた…同調しているかのように。
支笏湖全体がひとつの生き物のように感じられた夜だった


お魚は釣れてません。




シングル♯6 フローティング
3Xリーダー. ティペットなし

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# by kaki1225h | 2018-05-23 13:10 | Comments(6)

2018.5.19 支笏湖.濁り

雨の支笏湖
今日は午後からの釣り
北西の風が強く吹いたのか、南岸には高波がザブンザブンと打ち寄せていた


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波の高さに反して風を感じない
シングルのロッドでも戦えそうだ
type.Ⅱのシューティングヘッドをオーバーヘッドでキャストしていく

湾の端から始めて、数キャスト目で生命感が訪れる
40クラスのブラウンだ
次いで、少しだけサイズアップの2匹目は45位
キャストしたあたりに近づいていくと部分的に濁りができていた


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大鱒が入ってくるかも…
そう思って、集中放火のようにキャストを続けたけど、その後は反応は無かった

湖は、冬の海のように荒れている
大きな波がダパーンと体にぶつかると、砕けた波しぶきが顔にあたる
雨と波とで全身濡れ鼠のようだ
ずっしりと重いジャケットと、袖口から染みてくる水が、心を折ろうとする
キャストポイントを探しながらの帰り道、岩盤地帯のシャローにさしかかる
浅すぎて、いつもはフライを投げない場所だ
岩盤から砂地に変わるあたりで強い濁りが入っている
リールからラインを引き出す気力はなんとか残っていた
バックスペースをとれるだけウェーディングし、濁りの沖へキャスト
リトリーブする左手が違和感を拾う
根がかりのようにズーンと重い感触だった


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巷では70とか80クラスが続々と釣りあげられている中で、自分がようやく釣った会心の1匹はありふれたサイズの62㎝
自分らしいサイズだなぁと思うと、なんだか可笑しくなってしまって、雨に打たれながら一人ふふっと笑っていた



シングル♯8 type.Ⅱ

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# by kaki1225h | 2018-05-19 20:24 | Comments(4)

2018.5.15 シコナイト.鈴の音

支笏湖、夜
鈴の音が聞こえることがある
山歩きの時に身につけるジャリーンの音ではなく、風鈴のようにリーンと透き通った音色だ

どこからなのか、本当に鈴の音なのか、
もしかしたら気のせいで、そもそも音なんてしていないのかも…
気にせず釣りを続けていると、音はいつの間にか聞こえなくなっているのがいつものパターンだ


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リーン
今夜も何処かから音が微かに耳に届いている
人がいないことは分かっているので、金属的な音の主はきっと風が何かに反響して奏でているのだと思う

予報が告げていた南東の風は最後まで吹かなかったけど、そういうことにしておこう


これまで歩く釣りはフライには不向きなので、動かず待つ釣りを長く続けてきたけど、あまりにも退屈な釣りが続いている
今夜は少しだけ歩いて、実績ポイント2ヶ所と新規ポイント1ヶ所を巡ろうと思う


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無風に霧。おまけに少し生臭い
何かが出るならこんな夜だ(笑)
最初は新規ポイントのワンドに入る
右端からキャスト開始。ワンキャストごとに左へ、すり足で移動していく
数投目だった
キャストした付近で水面が乱れる音を聞く
ロッドを立てると、ずっしりと重みがのっている
ロッドは♯8、暗くてよく見えないけどパットから曲がっている筈、それくらいの重量感だ
ドバドバッと水を蹴散らす音が響いた直後に、フッとロッドが軽くなった
ラインをたぐりよせると、リーダーとティペットの結び目が切れていた
浮かべる釣りでは、これまでは1Xとか2Xを結んでボンズをたくさん頂戴してきたものだから、今夜は試験的に3Xを結んでいた
結果、魚は出たけど一撃で切れてしまった
♯8ロッドに3Xがアンバランスだったのか、魚の一伸しが強すぎたのか、それともそもそもティペット自体が不要なのか…
今夜も答えの見つからない課題を頂戴してしまった


リーン

帰りの背中で、鈴の音を聞いた気がした




シングル♯8 フローティング


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# by kaki1225h | 2018-05-19 19:31 | Comments(0)

2018.5.12 支笏湖.不完全燃焼

river sideには、お魚が登場しない釣行記が多い
支笏湖釣行が多いからだと言い訳を考えたけど、支笏湖鱒を毎々釣りあげているエキスパートの方々が読んでるかもしれないので、やめておく
あまりにお魚の画像がなさすぎて、記事アップしていない釣行も多々あるとか無いとか…
そんなボンズの危険をかえりみず、今日も湖岸へ続く枯れ沢を下っている


波風は左から。
数キャスト毎に少しずつ右へ右へと移動していく
右奥の岩場地帯でラインにテンションを感じるポイントを見つけた
そんな場所には何かある、じっくりとフライを通していこう


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たまっていたのか、回遊してくるのか、7~8匹のアメマスが反応してきた
その後にブラウン、40クラスだったけど2度もジャンプしたギラギラ系の魚体だった


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朝の6時半からロッドを振り、まもなく18時半だ。
大きな支笏湖鱒を釣るまで帰らない決意で家を出たのだけど、もう腕も腰も言うことをきかない
春の支笏湖戦線、不完全燃焼のまま終了しそうな予感がしている

シングル♯8 フローティング、type.Ⅱ



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# by kaki1225h | 2018-05-12 20:57 | Comments(6)

2018.5.10 支笏湖.二夜目

夜なら簡単に釣れる
そう思っていたのは何年も前の話で、まだ夜の支笏湖に入門する前のことだ
夜の湖畔に立つ勇気は友人にもらったけど、いざロッドを振ってみると、真っ暗の無反応タイムがただただ長く続くだけだった
その後は少しディープなゾーンまで歩を伸ばし、非日常の世界にどっぷり腰をおとしているが、お魚にはそんなに出会えていない

夜な夜な敗戦を重ねて、今では目が利く日中のほうが釣れるとさえ思い始めている

そんな夜の支笏湖、今シーズン二夜目
黒い湖水が音もなく揺れていた



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鳥は1羽も鳴いていない
森の中からはいつも感じるザワザワとした気配
パキーン、
背後の何処かから枝が折れる音が高らかに響いた
とても後ろを振り返れない、ひたすら湖と向き合うしかなかった


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シングルロッドにフローティングライン、
水面の少し下を丁寧に探っていく
たとえ鱒がボトムにいてもフライの存在に気がつく筈、それくらい大きなフライを結んだ

何も起こらない静かな時間が過ぎていく
不意にロッドのパット部にコツーンと何かがあたる
リールがついている少し上あたりだ
あたった何かと自分との距離があまりに近すぎて、微動だにできなかった
『コウモリがラインにあたってくる』
昔、夜のルアー師に聞いた言葉が頭をめぐる

コウモリがロッドに頭をぶつけた、そう思うと少し気持ちが楽になった気がした


1時間半を費やした岩場の岬に見切りをつけ、移動を決意する
嫌な気配だけはたっぷりあるのに、鱒の気配だけは終始無かった
徒歩移動で何度か鱒をかけている倒木ポイントへ
あまりに暗すぎて何処に倒木があるんだか分からない
勘を頼りにキャスト、そろりそろりとリトリーブしてみたり、放っておいたり…
カポン
フライのある辺りから聞こえた水面が割れる音にロッドを立ててみる
ラインが重い。8番のロッドが2回大きくしなってフッと重みが消えた
その後にもダパーンとライズ音が響くが、フライが届かない沖の方からだった
今夜の反応はそれっきり

釣りに集中できない、そんな夜が更けていった



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# by kaki1225h | 2018-05-11 23:09 | Comments(2)

2018.5.3~4 支笏湖.2日間

5/3 いつもの南岸。雨中の釣り。
釣れる時は開始30分で釣れる、実績ポイントだけを数ヵ所やって帰ろう…
そんな気持ちで、雨の中 車を走らせたけど、支笏湖がそんなに甘い筈はなかった


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右からの風がキャストを妨げる
茶色く濁った沢の流れ込み付近で時間を費やすが、反応はない
雨がじわじわと上半身にしみてくる。
過去のブラウンのヒットポイントに、じっくり沈めてフライを通すと40前後の雨鱒が反応してくる
こんなパターンは例年なかった筈、何かが変わっている近年の支笏湖だ


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シングル♯8 type.Ⅱ



5/4 駐車スペースが見つからなく、昨日と同じ場所へ

天候は不安定。晴れたり雨がぱらついたり…
東からの風が時に強く吹いた1日だった
魚の反応は相変わらずで、いくら粘ってもニジもブラも出てきてはくれない


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根掛かり覚悟のボトムすれすれ作戦を試みるが、水中深くからグネグネと伝わる反応はやはり雨鱒だ
波風はあるし、いい時期にいい場所でロッドを振ってる筈だけど、何も起こらないまま2日間が終わった
無慈悲、支笏湖を形容するならそんな言葉になるんだと思う



シングル ♯8 type.Ⅱ
ダブル KenCubeシューティングスペイ♯10 type.Ⅱ



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# by kaki1225h | 2018-05-04 20:00 | Comments(4)

2018.4.28~29 支笏湖.春の風

春一番
もしかしたら、もう二番か三番なのかもしれないし、そんなものはとうに終わっているのかもしれないけど、とかく強い風が吹いた1日だった
4/28 支笏湖南岸
予報では南西の風。虹鱒橋を降りてみると左からの強烈な風、湖水は冬の海のように荒れていた

時には立ってられないほどの風の中、シングルのロッドを終日振り倒した


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反応は3回、
フッキングせず、手応えだけを残し消えていった反応が2回、3回目の反応は30㎝程の雨鱒だった

まともにキャスト&リトリーブできたのは半分位、あとはラインが風に戻されたり、あらぬ方向に着水したり…
待機してる時間も長かったと思う
今日は暗くなるまでロッドを振ろうと思っていたけど、16時には挫折してしまった
こんな荒れた日は何かが起こる予感がしたけど、あまりに荒れすぎて釣りが成立しない、そんな1日だった


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4/29 トンネル付近に車を止める
湖面がざらざらする程度の凪、予報が告げていた強めの南南東の風が待ち遠しい


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ライズが2回、
なかなかのサイズだけど、キャストもためらわれるような湖面では投げても逃げるだけだろう
あれにはちょっかいを出さずに、ひたすらボトムを引っ張り倒した


シンプルなフライパターンが釣れると思っている。
黒いフライならオールブラックで余計なマテリアルはつけないなど、鱒に偽物と判断される要素をできるだけ省くのが最近の自分流となっている
だけど湖水にキャストされるフライには、無くても良さそうな赤のワンポイントだとか、最後にハックルをひと巻きだとか、理論とは違う余計なデコレーションが随所にほどこされている。
もしこれで釣れたりしたら『赤のワンポイントが効いた』なんてブログに書くかもしれない。
鱒がいるのに何をやっても無反応で、打つ手なしの窮地に追い込まれた時には、見た目が水草のくずみたいな本当にシンプルなフライを結んでみようと思う


そんなことを考えながらの長い長いカウントダウン、
type.Ⅱのラインは6~7mは沈んだだろうか
リトリーブの終盤、ラインがずっしりと重くなる
水中深くからグネグネとした生命感、待ちに待った感触が伝わってきた


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メジャーをきっちりあてれなかったけどサイズは57㎝位、小さな目が印象的な鱒だった
今日は昼までの釣り、
せっかく東からのいい風が吹き始めたけど、潔くロッドを畳んだ

暖かな春の風だった



Kencubeシューティングスペイtype.Ⅱ ♯10



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# by kaki1225h | 2018-04-29 14:38 | Comments(4)

2018.4.21 シコナイト

誰が呼んだかシコナイト、もしかしたら誰ひとりとして、そんな呼び方はしてないのかもしれないけど、勝手にシコナイトと呼んでいる
夜の支笏湖の話だ

4月。例年より少し早い時期に夜の扉を開けたのは初めてのこと。

慣れだとか、順応だとか、そんなものが全くない1発目の夜はさすがに怖い
何が怖いかを考えることすら怖くて、釣りに集中するしかないのだけど、これを数回繰り返すと不思議と次のナイトが待ち遠しく思えてしまう

夕暮れの少し前に、昨年秋シーズンの日中に何度もバラしてしまった崖下のポイントに入る。
そして夜の到来を待った


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あたり一帯が獣臭い
鼻が痛くなるほどの臭いに我慢できず、徒歩移動でポイントを大きく変えた
背後の林がガサガサ揺れたり、パキンと枝が折れる音には過剰に反応してしまい、何度か熊撃退スプレーの安全ピンを外しては釣りを中断した夜だった
釣り座をかまえ、おっかなびっくりのキャスト、
ラインはフローティング
数投目のリトリーブ中にズンと衝撃が伝わるがのらない。
ボイルらしき音は近場から聞こえてくる
日没直後にザワザワと動き出した生命感はすぐに消え失せ、長い沈黙の時間が訪れた
1ヶ所で粘るのはやめて、歩いてはキャストを繰り返す
見上げると三日月がぽかんと輝いている
ほのかに明るい湖畔をライト無しで歩いてゆく


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森の中から聞こえる物音が、自分の後をついてきている気配を感じる
思いきって大きめのライトを取り出して照らしてみると、木々の隙間に目が2つ光っている
昔聞いた山に詳しい人の話では、熊の目は赤く光るという
白っぽく光っているのを確認して釣りを続けた
もう熊でさえなければ何でもいいと本気で思っている(笑)
まもなく21時半になるところでロッドを畳んだ
湖面があまりにも静かすぎて、粘ってもダメと判断してのことだ

また来ようと思う。
その時はルアーのような大きなフライを試してみるつもりだ





シングル♯8 フローティング


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# by kaki1225h | 2018-04-21 23:56 | Comments(2)

2018.4.8 支笏湖.残雪

支笏湖南岸。
残雪に足をとられながら斜面を下りたのが13時、それから3時間ほどの間、トンネル付近をウロウロと歩いた


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例年、4月の下旬頃からブラウンとの遭遇率が高くなってくるように感じている。残雪の厚みをみると、まだちょっと時期が早いだろうか
今時期は道南で鮭稚魚にボイルする海雨を狙うのが旬の釣りだと思うけど、これはなかなかタイミングが難しくて、自分が行った日が不発で、前の日はボコボコだったのに…だとか、翌日は祭だったとか…そんなのばかりでドンピシャで釣りに行けたことはいちどもない
今春はそんな道南の釣りを選択肢から外して、支笏湖の厳しさや切なさに挫折し、時には優しさにも触れてみたいと思っている

シングルロッドにtype.Ⅱのシューティングヘッド、良く言えばレトロ風なスタイルで一定の区間を繰り返し攻めた
凪の湖面が西からの風でざわざわと揺れ始めたタイミングで、ラインがズンと重くなる
40クラスのブラウンを慎重にランディング。
バレても精神的ダメージの少ないサイズなのに妙に嬉しい。ここが支笏湖で、今期初めてのブラウンだからだろうか。


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ここは前にライズを見た場所で、昨シーズンの1匹目もこの場所だった。シングルロッドでチョイ投げするしか攻め方がないポイントだけど、貴重な引き出しのひとつになりそうだ
16時。反応はあの1匹だけでタイムリミットになってしまった
今日も大鱒はかすりもしなかったけど、数日通った支笏湖からのささやかな参加賞が心の救いとなっている


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# by kaki1225h | 2018-04-08 20:41 | Comments(6)

2018.3.25 支笏湖.隠密釣行

気配を消してそっと歩く、家の中をだ。
支笏湖の鱒をなんとか1匹釣りたくて、次の週末まで待てやしない
だけど土日の休みを両方とも釣りにつかえるわけもなく、早朝にこっそり家を抜けたすこととなった
早起きの猫ちゃんをひと撫でだけして、いそいそと車に乗り込んだ


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虹鱒橋から湖岸に下りてみる
西からの風が強くなったり弱くなったり
波はほどほどのフライ日和に恵まれた
今日は小回りのきくシングルロッドだ。ラインバスケットは忘れてきてしまったけど、キャスト&ウォークで支笏湖の鱒に挑もうと思う
開始数投目、リトリーブ中のラインがズンと重くなる。待望の生命感がライン越しに伝わってきた
重量感から40クラスと分かるも落胆はしない、サイズはともかく自分には貴重な貴重な支笏湖鱒だ
ここで背中のランディングネットが無いことに気がつく、うっかり車に置き忘れたようだ
ブレイクゾーンにフライを通す為にかなりウェーディングしている。岸まで鱒を引っ張っていく過程で痛恨のフックオフ
ロッドから重みがフッと抜けた瞬間に、体から魂がスウッと抜けるような脱力感を今シーズンもありがたく頂戴した

午前の早めの時間に帰宅すれば、家族にばれない可能性もあったけど、がっつり昼までロッドを振ってしまった

釣り禁止になるんじゃないかとヒヤヒヤしながら過ごしている今現在だ




シングル♯8 typeⅡ

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# by kaki1225h | 2018-03-25 16:22 | Comments(4)

2018.3.24 支笏湖.無反応

支笏湖の緒戦は今シーズンも手厳しかった
トンネル付近を行ったり来たりするのは今日で2回目、
1度目はボンズ、バラシもアタリもなしのパーフェクトなやつだ
そして今日は10時すぎから6時間ロッドを振り、またパーフェクト達成。悔しんだり、がっかりしたりせずに、なぜか笑ってしまうのはそこが支笏湖だからだろうか



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予報とは違う左からの風が、時に強く体を押す
この波風でこのポイントに立てれば1匹くらいは何とかなる…そんな切り札的な場所に人がいなく、思う存分にロッドを振れたけど、なぜか終止無反応
歩く釣りも試みたけど、ダブルハンドだとあまりに効率が悪すぎて、長くは続けられなかった
次回は身軽なシングルのロッドを持ってこようと思う。あとはラインバスケットがあれば毎々ラインを巻き取らなくて済むだろう

2日間、湖岸を行ったり来たりして、魚っ気ひとつ感じられないのだから、この一帯でフライでブラウンを狙えるのは、もう少し春が深くなってからなのかも

場所と道具と気持ちをリセットしよう。そして次回こそは支笏湖鱒をアップしたいと切に願っている



Ken cube シューティングスペイ typeⅡ



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# by kaki1225h | 2018-03-24 17:27 | Comments(2)

2018.3.11 島牧.後半戦

久しぶりのロッドグリップの感触、ラインの重みを確かめながらキャスト、
少し力が入りすぎた窮屈なループが波間に消えていく


『今日こそは大きな海雨を釣る』
そんな思いが強ければ強いほど魚が逃げていくのが通例になっているので、今日は魚達に気合が入ってることを悟られないようポーカーフェイスでふるまおうと思う


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早朝の4時前に現地に入る
少し仮眠のつもりが起きたら8時半の大寝坊をしてしまう。何の為に早めに着いたのやら…

ファーストキャストは通称18番で。
そこからレストハウス下までの間をひたすらキャスト&ウォークするものの、反応は序盤の一度だけだった
その一度は、ライン越しにずしっと重みが伝わった直後に、鱒が暴れてフックが外れてしまった
ギラギラとした幅広の魚体がみえたからサクラだったのだろう
さわさわと南よりの風が流れてくる
ベタベタな凪の海からは生命感は感じられなく、早くも集中力がきれてしまいそうだ
時すでに遅しなのか、アングラー達が次々とあがっていく
中には袋に入れた魚を運んでる人もいたので、魚っ気はあったのだろう


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午後からは中の川の駐車スペースに車を滑り込ませた

コベチャナイ方面に向かって再びキャスト&ウォーク、
反応するがのらないこと数回、やっと1匹だけランドすることができた


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2月も中旬を過ぎると、スカッド系のフライで近場でバタバタと釣れた記憶があるが、それも昔の話で、今日も手厳しい島牧の釣りとなった
今冬は支笏湖や本流の釣りはお休みして、自由になる休日は全て島牧釣行に費やした
終日、体に鞭を打ってキャストとウォークを繰り返すものの、釣れるのはお子さまサイズばかりだ
さすがに心が折れてしまい、夕方まで粘ることは出来なかった

今シーズンもう1~2回は頑張ってみようかと思います。多分ですが…



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# by kaki1225h | 2018-03-11 21:59 | Comments(2)

2018.2.4 島牧海岸冬物語

煙草をやめたのが去年の夏。相変わらず禁煙は続けているけど、ふとした時にあの感覚が恋しく感じてしまう。
仕事でデスクワークが長びいた時だったり、フィールドへ向かって車を走らせている今だったり。
禁煙を決めたのは健康よりも金銭的な面が大きい。自分は煙草とコーヒーをセットで嗜むものだから、月の出費は2万円程になる。
そのお金で、かみさんや子供達に少しの贅沢を提供できればと思ってのことだ。たまに釣り道具の1つ2つくらいというニッチは、子猫が家にやってきて餌代やら猫グッズで埋ってしまったっけ。
年期の入ってきた何時もの釣り道具が、今日も明日も来年も行動を共にするのは間違いのなさそうところだ

そんなことを考えながら黒松内から島牧に抜ける峠にさしかかる。
予報通りの吹雪。数年前に吹雪に視界を遮られ、雪山に突っ込んだことを思い出す。時々視界がゼロになったり、急に現れる吹きだまりをかわしながら、恐る恐る走るものの、峠の頂上付近で除雪作業の方にこの先は通行不能だと聞かされる。泣く泣く来た道を戻るという非効率な1日がスタートした


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朝からロッドを振ったレストハウス下は終始無反応、
移動先のコベチャ~中の川は、車を止めるスペースが見つからなかった。
太平のワンドを端から端まで歩き、最後は18番で力尽きた
釣れた魚は小さなホッケだけだ。
魚も野菜も値段が高くて…そんなかみさんの言葉を思い出してキープしようか迷ったけど、こんな小さな魚を4人家族でどう分けるのだと怒られそうな気がして、ホッケ君には丁重にお帰りいただいた。


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相変わらず大きな海雨に出会えないまま日々が過ぎていくけど、
島牧海岸冬物語は、まだまだ続きそうな気がしている


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# by kaki1225h | 2018-02-04 20:30 | Comments(4)

2018.1.14 島牧.苦行8時間

また島牧でロッドを振っている

苦手な冬道も苦にならなくなってきたし、足がつることもなくなった。
どうやら体が冬の釣りに順応したらしい。
思えば、順応しないまま冬を終えてしまったことが何回あっただろうか…

今季は早くも3戦目、
釣りへの情熱が再燃している今日この頃だ。


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最近はプラス気温の日ばかり選んで釣行してたものだから、今日のような終日氷点下だと指先の痺れがいっそう早くおとずれる
指先の微妙な感覚は、キャストにもリトリーブにも必用なので、限界まで生指でがんばってみよう

通称レスト下。夜明けからロッドを振り、全くの無反応のまま正午のサイレンを聞く

午後からは千走のサーフへ
小さなボイルに期待を膨らませたり、2度の小さなアタリに熱くなったりして3時間を費やした。
ロッドを畳んだ頃には疲労困憊だ

そこそこの鱒が釣れてくれれば一段落つけれるのだけど、あまりに反応がないとついついリベンジ魂に火がついてしまう
終わりなき島牧通いが続きそうな気がしていて、月のガソリン代が怖くってしょうがない


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# by kaki1225h | 2018-01-14 21:59 | Comments(6)