2017.6.17 支笏湖.夜の話

夜の話だ。鼻をつままれても気付かない程の黒い湖岸をおそるおそる歩いた。思えば人一倍怖がりの自分が夜の支笏湖を訪れるなんて、まっとうな道から足を踏み外したのはいつだっただろう。
たっぷりと時間をかけて夜の空気を吸い込む。うまく言葉では言い表せないけど、そうすることで少しだけこの闇の世界に受け入れられる、そんな気がしている。ただの怖さ紛らわしだけど、黒が濃い夜にはいつもそうしている。

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夜はシンキングラインの釣りが通用しない。経験が足りないだけかもしれないが、あまりにも反応がないものだから今ではもっぱら浮かべている。実は水を吸ったフライが沈んでるのかもしれないが、それはそれでいいと思ってる。

支笏湖通いを幾夜も重ねると、鱒の気配濃厚な日がたまにある。森の音がしない湿った夜だ。そんな時は早々に鱒を釣り、長居せずに帰るようにしている。勿体ない気もするけど、早くこの場を離れたほうがいい、そんな雰囲気を肌で感じてのことだ。

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今夜は崖下の湾で粘った。先日、友人から送られてきた画像には67のブラウン、凪の夜だったようだ。ルアーでのヒットとあったが、フライでこんなサイズを釣りたいと根が生えたように粘った。
ライトをつけるのが怖くて、手元を照せるだけの小さなライトを頼ってフライを替える。なぜ怖いのかは考えないほうがいいと本能がいっている。
今夜は星空。ふくろうが背後の森で鳴いている。何度かラインが引かれる感触があるが乗らない。ピックアップ際には大きな何かが身をひるがえし去っていくのを気配で感じる。
夜は鱒を大胆にさせると思っていたけど、どうやら違うようだとやっと気がついた。太いティペットに真っ白な大きなフライをつけてヘビィなロッドでぶん投げる、夜に踊らされているのは自分だったようだ。
1度だけずっしりとした重量感がロッドに乗ったけど、すぐにフックオフ、願い叶わぬ夜がまたひとつ過ぎていった


シングル。WF6F

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# by kaki1225h | 2017-06-18 10:47 | Comments(6)

2017.6.5~ 支笏湖.夜に鳴く鳥

夜の鳥が鳴いている。鵺、ヌエと言うらしい。正式にはトラツグミ、多分そんな名前だったと思うのだが、勝手に夜の鳥と呼んでいる。夜が更けてくると森の上の方からヒィーンと悲しげな鳴き声が真っ暗な湖畔に響き渡る。昔はその不気味な鳴き声が物の怪として恐れられたと何かで読んだことがあるけど、この音を聞くと夜の中の更に深いところに自分はいるんだなぁと感じて、何故か高揚感のようなものを感じている。

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支笏湖の夜は目がきかない。必要な情報は音が知らせてくれる。波が岩にぶつかる音の強弱でチャンスの到来を知ったり、枝の折れる音で背後にいる何かを想像したり…。時には聞きたくない音を拾ってしまうこともあるけれど、それら全てが夜の音だ。

6/5、崖下でダブルハンドを振る。暗闇が時間と空間の感覚を奪っていくのだけど、対岸の温泉街に小さく灯る明かりが自分の立ち位置を思い出させてくれるし、遠く東に目をやれば車のヘッドライトが線香花火のようにチラチラと揺れて見えては頭の中の時を動かしてくれる。
右側で一定の感覚で繰り返されるライズ、20分おき位だろうか。岸際すぎて木々がキャストを妨げるし、なにより近すぎてダブルハンドとスカジットラインではちょっと辛い。たまにロールキャストでフライを送り込んでみるけど、多分ラインを見てフライを回避してることだろう。

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Kencube.シューティングスペイ♯10 type.Ⅱ


6/8、雨上がりの南岸。前回と同じ崖下へ降りたのは19時過ぎだった。
リトリーブの釣りが好きだ。5月も上旬を過ぎるとそんな釣りに反応する鱒は極端に少なくなるのが例年のパターンだけど、しつこく引っ張り続けている。だけどボンズは嫌なので、今夜はとことん浮かべてやろうとドライフライを巻いてきた。希望やらこだわりやらを巻き込んだフライだ。もしかしたらこれまでの釣れなかった怨念のようなものまで入っているかもしれない。
車のクラクションが遠く上から響いてきた。カリカリしなさんな、そう心の中で呟きながらフライを結ぶ。
日中はけっこうな雨が降った筈、もしかしたら誰もロッドを出してないかも…いつもは素通りする近場にフライを浮かべてみる、正面、斜め左、左、と。4投目は岸際の岩の横へ。モコッと水面が盛り上がり、立てたロッドにズッシリとした重量感が乗った。

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♯6のフローティングラインにリーダー&ティペットは3X。いつもの夜に大物を狙うスタイルの1Xリーダーはこの日使わなかったのが良かったのか、やけにあっさり反応してくれた。メジャーをあてると60㎝。59.5に見えたのはここだけの話にしておこう。
まだ日は暮れていない。ナイトをやりにきたのが普通のイブニングになってしまったのだけど、深みに消えていく鱒を見送るとそれまでのガツガツしていた気持ちが無くなっていた。夜の鳥はまだ鳴いていないけど、ロッドを畳んで煙草に火をつけた。


シングル.WF6F
マドラー♯4


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# by kaki1225h | 2017-06-09 23:07 | Comments(7)

2017.5.30~ 支笏湖. night diary

夜の支笏湖通いは続いている。よせばいいのに続けている。
夜の支笏湖なんて怪しい雰囲気たっぷりだと誰もが思うのだろうけど、本当に怪しいのはそんな中でロッドを振る自分自身だと最近やっと気がついた。

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5/30。橋の脇に車を停めたのが19時すぎ。夜に道路から離れすぎるのは怖いけど、気になっていた場所でロッドを振る。ここではあまりいい思いがない右への湖流。スカジットラインをなるべく静かに着水させる、何度も何度も。夜は凪の日が多いのだけど今夜は程々の波、なのに生命感はゼロだ。『なんでもいいから釣れておくれ』そんな気持ちが漂い始めるのだけど、夜なのだからモンスタークラスを狙うのだと、心の中で襟を正した
過去、岸際の倒木横やブレイクゾーンに静かにフライを入れるとブラウンは反応してきた、サイズは大きくても50台までだけど。一方で、強めのラインで遠くを狙う釣りはあまりにもボンズが多くて今では敬遠しがちだ。そして今夜も小型と思われる鱒が少しだけロッドを引き込み、フックオフ…反応はそれだけだった。

スカジットマックス600gr フローティング
ティップ:インターミディエイト


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5/31は序盤にサクラ、少しだけサイズアップしてくれたのが少し嬉しい。
チップ釣りの解禁が近いからか湖畔で灯りが動いている。いつもはひとり闇の中で気配を消して釣りをしているけど、今夜は時折、車のライトが湖面を照らしたりする。釣れる気は半減だけど近くに人がいると分かるだけで安心感を感じての釣りだった。
夜空には無数の星。右からの風が途切れることなく湖面を騒がせている。中小型と思われるライズが多数、大鱒は今夜も姿を現さなかった。

シングル.WF6F


仕事でミスをした6/2、しょんぼりと夜の支笏湖に立つ。オーバーワークだったのか、歳をとったということなのか…大きなマドラーを浮かべながらそんなことを考えていた。今夜は波が高い、予報の北西の風で実績のある岩の上に陣取ったが、逆方向の東から風が入ってくる。早めに見切りをつけ、倒木ポイントへ。その途中で今期初のアメマスが顔をだす。去年あたりから釣れるサイズがひとまわり大きくなったのは何が要因なのだろう。
ランニングラインがやけに重い。真っ暗な足下をライトで照らすと、波に洗われた岸際はヘドロだらけでラインに絡んではキャストの邪魔をするようだ。しばらく歩いてみると岸際全てがそんな状態だった。早くも心が折れてしまった。帰り道、波打ち際を歩いていると、すぐ目の前に鹿。その姿がライトの明かりに浮かび上がった瞬間は息が止まりそうだった。どいておくれ、そんな言葉をかけると鹿は慌てる様子もなく暗闇の中へ消えていった

スカジットマックス600gr フローティング
ティップ:フローティング


6/3。日の暮れる前に崖の下に入る。雨がシトシトとジャケットに絡みつく。波は程々、この場所は水通しがよいのかヘドロは見あたらない。霧に包まれた湖水に大きなマドラーを浮かべた。水面を滑るようにリトリーブすると反応がよいようだ。すぐにブラウン、また小さい。例年40以下のブラウンなんて滅多に釣れないのに…。その後は数回手元に手応えを感じるがのらない。中にはでかそうな感触もあったけど、あくまで感触の話だ。小さなアメマスが釣れたところで本命ポイントへ。背後は崖、見えない足下に気をつけながら最低限のウェイディングでオーバーヘッドでキャストする。
たぶん気のせいなのだろうけど、近くには誰もいない筈なのに話し声が聞こえることがある。会話のように聞こえたり、ゴニョゴニョと微かに聞こえたり…今夜は後者だ。風の音が反響してそう聞こえるのか、気がつかないだけで釣り人がいるのか…そんな夜は場所を少しずらすか、早めに帰るようにしている。この場所は夜に入ったことはなく、足下近くにある筈の急激なブレイクが何処にあるか見えていない。大きなブラウンは釣りたいけど無理をすることはない、それはいつかの楽しみにとっておくとしよう。

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シングル.WF6F


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# by kaki1225h | 2017-05-30 11:15 | Comments(9)

2017.5.26 支笏湖.夜の訪問者

支笏湖に行こうと思ったのが16時。仕事でよれよれになった頭の中で、月明かりに照らされた湖水がザワザワと揺れていた。
転職に転職を重ね今は介護の業界に身をおいている。車椅子や杖、電動ベッドなどの物を提供する傍ら、時間と数字に追われている。疲労するのは肉体より精神だ。心が疲れたら夜の支笏湖で浄化する、そんな方程式がいつからかできあがっていた。

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凪の湖面に星空の明かりが灯っている。前回と同じ場所、波がないのも前回と同じだ。せめて魚のサイズだけは前回と違ってほしいと切に願う。遠くの蛙の泣き声に耳をすますと、背後の林がガサガサと音を立てるのを拾ってしまう。決して小さくはない音の主はしばらくウロウロして立ち去ったようだけど、それが何なのかはいつも考えないようにしている。
1投目。最初のリトリーブが重い。姿を現したのは虹鱒、着水してすぐに反応していたらしい。今夜もまた小さなお魚を釣ってしまった。支笏湖での二夜、まるで参加賞のお菓子の詰め合わせのように小さな魚が3種類、心なしか少し満足している自分に気づき『違うんだ』と心の中で呟いた。

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右からそよ風が抜けると少しだけ湖面が揺れる。そんなタイミングで小さなライズの音が複数周りから聞こえてきた。『波を作ろう』。少しディープに立ちこんで腰を動かすと小さな波が沖に向かって広がっていく、幾重にも幾重にも…。背後のパキンと枝の折れる音で腰がとまる。何だか急に恥ずかしくなり、音がした場所を避けて岸へ向かう。思えば出入り禁止になってもおかしくない動きだった。
例年ここでは今時期に大きな鱒に出合えたことはない。次回ここを訪れるのは秋のシーズンになるのだろう。蛙の泣き声に夏の訪れを感じた夜だった。

シングル ♯6フローティング

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# by kaki1225h | 2017-05-27 00:08 | Comments(4)

2017.5.23 支笏湖.明るい夜

明るい夜だった。月も星もない夜空の下なのにやけに目がきく。
濃い霧に包まれた夜の支笏湖。今宵も不気味な雰囲気は満点だ。

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最初の頃はおっかなびっくりで黒い湖水に足を入れるのを躊躇してたのに、今では靴底の感触に磨きがかかり、闇に溶け込みライズの音を探している。
凪の湖面にライズが数回、フライを通すとガツッと手応えがあったり、ヌルッとフライに絡む感触があったり…日没の少し前にやっとフッキングしたのは小さなサクラ。正体が分かってホッとしたようなガッカリしたような複雑な気持ちだった。


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右後からの風が波を起こしたタイミングで、リトリーブする左手が違和感を拾う。今度はブラウン、やはり小さい。
夜だというのに釣れる魚が小さすぎると思っているけど、そんな魚をネットに入れたり写真を撮ったりする自分こそが小さいのだと後から気づいた

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終止フローティングラインでのリトリーブ、この場所でボトムを拾うことはない筈だけど、ヌルッとした感触を数回感じていた。何かがいる。そんな場所にはしつこくいろんなフライを通すのだけど、いずれも反応は1度きりだった。

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シーズンを通して夜の南岸を訪れているけど、それっぽい車を見るのは1~2台だけ。まっとうな釣り師は日中の釣りを楽しむのだろう。日中もやり夜もやる、そんなクレイジーな釣りが終わることなく続きそうな気がしている。


シングル ♯6フローティング
美笛エリア



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# by kaki1225h | 2017-05-23 23:19 | Comments(2)

2017.5.20~21 支笏湖.もどかしい期間

まもなく日が落ちる。それまでの静けさが一変し、湖面は生命感に包まれた
20日、仕事帰りに支笏湖へ。橋の脇に車を滑り込ませたのが6時過ぎ。夕暮れまでの短い時間だけど、何故かどうしても支笏湖でロッドを振りたい衝動にかられての出勤だ。さざ波の湖水が右に向かって流れている。思った通りの全くの無反応、ライズのひとつも見ることなく時間は過ぎていった。
まもなく太陽が山の稜線に沈む。そんなタイミングで大きなライズ音、あれはちょっと届かないなぁ、そう思いながらも初めて姿を現した生命感に胸が高まった。
時間は19時半をまわった。既にフライを結び変える光量はない。ライズは四方八方で繰り返されている。ベタ凪の湖面にドライをそっと置いたり、ストリーマーを引っ張ったり…鱒がフライを見てない筈はない。大きなライズにも小さなライズにも見向きもされず、短いチャンスタイムは去っていった

シングル♯6フローティング

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21日は午前中だけの釣り。南岸の崖下、春蝉が1匹だけ鳴いている。風は右から。時折強く吹き抜けては釣りを難しくする。シングルのロッドは早々に手放し、ダブルハンドを振る。風に強いスカジットマックス600grを久しぶりにガイドに通した。
目にしたライズは2回、リトリーブ中の反応が1度。例年この時期は苦しい釣りを強いられている。小さな黒い羽虫が浮き始める頃から春蝉が湖面に落ちる頃までは、なかなかフライに反応してもらえないのがいつものパターンだ。小さな虫ばかり食べているのだろうか…。
釣れそうで釣れないこの期間の支笏湖、厳寒期の無機質さと違って鱒は度々その姿を現している、それだけにもどかしさが募る期間に思えてならない。
もう1ヶ所探りたい気持ちもあるけれど、どうやらタイムアップのようだ。カリカリとラインを巻き取っていく、1匹だけの春蝉がギィーと鳴く声を聞きながら。


スカジットマックス600grフローティング


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# by kaki1225h | 2017-05-21 15:46 | Comments(4)

2017.5.7 支笏湖.強風と高波

支笏湖の鱒のことが少し分かったような気持ちは、昨日今日の釣りで粉微塵となる。南岸。久しぶりの橋を降りるポイントに立ったのが7時過ぎ。さざ波の湖は左への流れ。過去、ここで出会った鱒は一様にこの向きの湖流だった。

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すぐにライズを見る。近すぎてダブルハンドではちょっと辛い。あれはちょっかいを出さず、やり過ごすしかないようだ。
リールにはシューティングスペイラインを巻いてきたけど、なんとかバックスペースがとれそうだ。コンパクトなオーバーヘッドでキャストするとしよう。この湖流での釣れる立ち位置、キャストの方向まで頭に入っている。リトリーブのひとつひとつが期待と緊張感で重く感じられた。

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やがて吹き出した西よりの風が逆向きの湖流をつくる。この風が次第に強まり、立っていられない程に吹き荒れた。波は大波、膝までしかウェーディングしてないのにハイチェストのウェーダーに水が入りこむ。もはや釣りをするレベルじゃない、ましてやフライなど。
風が弱ければ『これじゃあ釣れない』と愚痴をこぼし、強ければ『釣りにならない』とさじを投げるのだから、もはや付ける薬がない。きっと支笏湖の大物釣り師達はこんな状況でモンスタークラスを仕止めるのだろうな…帰りのステアリングを握りながらそんなことを思っていた。



Kencubeシューティングスペイ♯10.type.Ⅱ


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# by kaki1225h | 2017-05-07 18:27 | Comments(2)

2017.5.6 支笏湖.霧の中で

しとしとと雨が落ちてくる。午後の支笏湖は濃い霧に包まれていた。

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予報では強めの南東の風、この場所では何故か逆方向の北西から風がやってくるのが通例なのだが、今回は違った。風は湖の北側を東に向かって吹いているようだ。凪、時折湖水が揺れる…終日そんなコンディションでの釣りだった。
ペッタリとした湖面に生命感は全く感じられない。時計を見ると17時、そろそろ帰る時間だがボウズは嫌だ。最後の1投、そのリトリーブを終え、もう1投だけ。更にこれで本当に最後…。そんな1時間におよぶ悪あがきを、赤く染まった西の空が踏ん切りをつけさせた。カリカリとラインを巻き取る。ブログに書く内容がないよおぅ、そんな呟きを一陣の風が運んでいった

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デルタシューティングヘッドD6/S7


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# by kaki1225h | 2017-05-06 19:44 | Comments(4)

2017.5.5 支笏湖.風待ち

ロッドを振らずに風を待っている、連休3日目の支笏湖はキャストするのも躊躇うような凪模様だ。空は白く霞んでいる。西でも東でもなんでもいいから風よ吹いておくれ…そんなことを心の中で呟いていた。
水中の様子をうかがうとブレイクの肩に岩盤が見える、何度かブラウンがヒットした場所だ。きっとあの岩盤の向こうに鱒が着いているのだろう。その少し沖によく目立つブラックのマドラーをキャストしてみる。リトリーブの終盤にフライを追う鱒が見えた。もうリトリーブするラインは残っていない、ロッド操作で食わせようと試みるが鱒は反転し深みに消えていった。

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余計な事をした…あの鱒はもう反応しないことだろう。今日の釣りは短時間だ。ラインを調整したり、ティペットを交換する時間がもどかしい。明らかにに焦っている。風を待たずにキャストを繰り返すが、苦手な凪の釣りは今日も克服できなかった。
顔に僅かな風を感じ始めたのは正午近く。ブレイクが近い断崖ゾーンの釣りを諦め、湾の端に移動した頃には、北西の方角から流れてきた風がざわざわと波を起こし始めていた。
♯6のシングルロッドに合わせたのはデルタシューティングヘッドD6/S7、シンクレートはスローインター。足下ギリギリまで探りたいものだからティップは付けてない。アンカー切れしないよう屈んだ体勢でのキャストを続けた。

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14時過ぎ、やはりリトリーブの最後の最後で食ってきた。リーダーがガイドに入ってからのジャンプは本当やめてほしい(笑)。サイズは47㎝、ヒット後は半径3mでの攻防だった。
もっと大きなサイズを釣りたい思いも空しく、ここでタイムアップだ。すっかり雪の消えた斜面を枝に掴まりながら這い上がっていく、次第に遠ざかっていく車の音を聞きながら。


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# by kaki1225h | 2017-05-05 16:38 | Comments(4)

2017.5.3 支笏湖.2戦2敗

向きの定まらない風がそよそよと吹いている。5月の連休、初日は支笏湖、いつもの南岸だ。
シングルのロッドで近場から探るのもいつも通り。何の反応も無いのもいつも通りだ。8時に湖岸に立ち、今は正午。左前からの強めの風が入る。あまり期待していなかった波が岸に押し寄せてきた。

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本命視していたブレイクの少し沖でライズを見る。不思議なものでドライを浮かべると水面は沈黙し、ストリーマーを結ぶとまたライズが起きたりする。それでも『ここに鱒はいる』、そう思えるだけで辛く厳しいだけの支笏湖の釣りに、少し希望が持てそうな気がした。
風はますます強さを増す、6番のフローティングラインなど役に立たない程に。せっかく訪れたチャンスタイムだ、急いでダブルハンドのロッドを継ぎ、ラインを通す。type.Ⅱのシューティングスペイラインで高波と向き合った。
あと1度のリトリーブでキャストに移る、そのタイミングでロッドに重みが乗った。波間の下でギラギラと鱒が暴れている。ランディングネットを背中から外すが、柄を伸ばしていなかったことに気付く。水面下すぐそこには50㎝程のブラウン、結局ネットが届かず、岸に寄せる過程でフックアウト…。フックが外れたことに気が付かないのか、鱒は少しの間その場にステイし、やがて深みに消えていった。フライを手に取るとフックのバーブを潰していたことを思い出す。バーブの有無よりも掛かり所なんだろうな…落胆の中でそんなことを考えていた。

岩にくだけた波の音が耳に入ってきた。放心状態のまま釣りを続ける。20分は過ぎただろうか、先程と同じ場所でピックアップの動作中にラインが引かれた。バレる時は何となくロッド越しの感触で分かるものだ。そしてやっぱり…。先程よりひとまわり小さな鱒がブレイクの向こうへ消えていった。

やがて風は止み、波も落ちてしまった。もう集中力は切れている。ブレイク狙いの為に新調したラインでも振ってみよう。
夕暮れの支笏湖、抜け殻のような釣り師が黙々と無気力なキャストを繰り返していた。

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WF6F
♯10 Kencubeシューティングスペイtype.Ⅱ



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# by kaki1225h | 2017-05-03 19:43 | Comments(4)

2017.4.29 支笏湖.二刀流

予報では強めの南東の風、この風ならここだろうと崖を下る。さざ波の湖岸は北西からの風がそよそよと流れていた。次回からは予報とは逆の風が吹くことも計算にいれるとしよう。
支笏湖、いつもの南岸。目の前にブレイクライン、その少し向こうにフライを入れる。ロッドはシングルだ。定番のストリーマーを結び、静かなアプローチで凪の湖水と向き合った。

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湖岸に立ったのが11時すぎ、昼を回る頃から風が強まってきた。左前方からのキャストには辛い風だ。それでも投げ続ける。湖面へのインパクトの弱い6番のフローティングラインなら、ブレイクに鱒がいればなんらかの反応を見せるだろう。右へ右へと細かく探りながら移動していった。
時にロッドが振れないほどの風が湖水を揺らしている。この状況でこれだけ探って無反応なのだから、近場に鱒はいないと思うことにしよう。
ロッドをダブルハンドに持ち変える。2本のロッドを持っての釣りは面倒だしストレスになるのだけれど、鱒との距離感やレンジによっては必要だと最近は感じている。
少し徒歩移動して遠くのボトムにフライを入れる。ラインはKencube.type.Ⅱシューティングスペイ、コーンヘッドを纏った重量たっぷりのゾンカーを、すっかり波の落ちた湖水に運んでいく。
足下から急激に落ち込んでいくポイントで粘った。いくら沈めても根掛かりひとつしない…一体どれだけ水深があるのだろう。
時間は16時。キャスト後、カウント60を超えた、1分だ(笑)。さすがに根掛かりを嫌って少し早めのリトリーブ。その中盤でラインにズーンと重みがのった。

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ダブルハンドロッドだといつもランディングに手こずるものだから、今日は柄の長いネットを新調してきた、安物だけど…。浅場に寄せれば勝負は早かったのだけど、なんとしてもネットに入れる…そんなやり取りだった。
ブラウンは55㎝、最後にネットとの記念撮影を1枚

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Kencubeシューティングスペイ type.Ⅱ.♯10
WF6F

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# by kaki1225h | 2017-04-29 18:34 | Comments(6)

2017.4.23 支笏湖.風吹かず

吹くはずの風は終始吹かなかった
支笏湖、いつもの南岸。
凪は辛い。このリトリーブで何かが起きる、そんな期待や緊張感はいつしか消えていった

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ブラインドで釣りあがる渓流のドライの釣り、小さなフライを流しても何も起こらないポイントに、とびきり大きなフライを流すとガバッと大鱒が出たりする。そんなことを思いだしながら昨晩巻いたビックサイズのストリーマーを結び、キャスト。水の抵抗を考えるとさすがにオーバーヘッドでだ。
小さな羽虫がパラパラと飛んでいる。遥か沖ではライズリングが広がっている。水面下をファストに引っ張ったり、カウント60のボトムを探ったり…。僅かな風に水面が揺れた時や、流れる雲が太陽を遮ったりした時には少しだけ期待が高まったものの、何も起こらない時間がゆっくりと過ぎていった


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時間はまもなく14時になろうとしている。たまには早く帰り、子供達を驚かせよう。まだまだ時間はたっぷりあるが、凪の湖畔を後にした。
帰りの支笏湖道路。道端の草木が揺れている。窓を開けると、なかなかの風、『もう遅いよ…』そう小さく呟き、少しだけアクセルを踏み込んだ


Kencube.type.Ⅱ


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# by kaki1225h | 2017-04-23 16:43 | Comments(2)

2017.4.16 支笏湖.長丁場

今日も支笏湖、少しだけ朝早めの時間に小さな沢を下った。すれ違ったの方の話では魚っ気はあるようだ。
思ったより波風がない。こんな状況に備えて持ってきたシングルロッドは車に忘れてきてしまった。ダブルハンドを振るには湖面がおとなしすぎる。スカジットラインは選択肢から外すしかなさそうだ。

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Ken Cube.type.Ⅱのシューティングスペイライン。いつものスカジットマックスと違って12.5mと長めで、太さはシューティングヘッドと変わらない。手持ちのロッドとはミスマッチだったらしく、この細くて長いラインを操るのはいつも難儀している。この日の為に巻いてきたマドラーゾンカーをふたつ繋いだようなビックフライは、ターンすることなく落水していく…なるべく投射性のよいフライを結ぶしかないようだ。
やがて湖は強い北西の風に吹かれていった
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押し寄せる波が岸を洗う。時にロッドが降れないほどの風が左前から吹き付けた。キャストの距離は25mが限界だ、丁寧に丁寧にリトリーブを繰り返した。朝の7時前には湖岸に立った筈、時間はまもなく15時、今日も長丁場の釣りだ。徒歩移動の3ヶ所目に、待ちに待った生命感がライン越しに伝わってきた
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ギラギラした体色のブラウンは47㎝。最初に感じた重い引きは本当に最初だけだったようで、その後はあっさりと寄ってきた。今回もそうだがダブルハンドを握る時はいつもランディングで手間取ってしまう。そろそろハンドル部の長いネットを新調しないと…。
こんな荒れた湖ならモンスタークラスが姿を見せるかもしれない…その後もしつこくロッドを振るものの、波風が徐々に体力を奪っていく。そして16時すぎ、燃えつきました。
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# by kaki1225h | 2017-04-16 18:03 | Comments(6)

2017.4.9 支笏湖.シングルロッド

南岸の斜面を下ったのが8時、湖岸は予報とは違う右からの風に吹かれていた。ロッドは2本、先にガイドにラインを通したのはシングルのロッド。バックのとれない岩場だがブレイクラインはすぐそこだ。僅かなスペースで近距離のキャストを繰り返した。
フローティングラインでのリトリーブ。岸から10m程のところでラインにズンと重みが乗った。
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ロッドは9feet♯6、修理中の♯8の代打だ。何故かバレる気がしなく、写真を撮りながらのやり取りを楽しんだ。
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55㎝、やけに口の大きなブラウンだった。時計を見ると9時、まだ1時間しか経過していない。もう1匹…欲をだして奥の断崖ゾーンまで進んでみるとしよう。
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青空が広がると北西から強めの風が流れてきた。波が向きを変える。さすがに6番のフローティングラインでは太刀打ちできなくダブルハンドのロッドに持ち変えた。近場を荒らしてしまいそうだがスカジットラインでのキャストで午後の部へ突入だ。
あれから7時間、徒歩移動を繰返し、肩と腰が痛くなるまでロッドを降り続けて生命感はゼロだ。幸先良く1匹釣れたものの、その後の長い長い無反応タイムが何故か敗北感のようなものをただよわせていた

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# by kaki1225h | 2017-04-09 18:43 | Comments(6)

2017.4.1-2 支笏湖.参加賞

週末は支笏湖へ。初日の土曜は南よりの風。雪の斜面を下りてワンキャスト目、何故かロッドティップがクシャッと折れる。シングルのロッドでブレイクを探る作戦は戦わずして破れ去ってしまった。ダブルハンドロッドに持ち変え、ブレイクラインの沖を狙うしかないようだ。前回はカスリもしなかった釣り方なだけに幸先不安なスタートだ。
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湖岸が急激に落ち込んでいくドン深の湾、そのボトムを引いてくる。いくら沈めても根掛かりひとつしないのは底をとれてないのだろう。フローティングのスカジットラインで3月の支笏湖に挑むのは分が悪かっただろうか。右からの風が強さを増す。鱒の気配は全くない。ライズのひとつも見ることなく、4時間が過ぎた。また明日こよう…心なしか諦めが早くなったような気がした土曜の午後だった
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雪の湖岸を歩く。日曜の支笏湖は左からの風が吹いていた。今年初めての橋を下りるポイント。数回キャストして少し移動を繰り返す。今日も4時間の釣り、過去のヒットポイント数ヶ所にtype.Ⅲのフルラインを通していく。
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他のフィールドに浮気せず2日間訪れた支笏湖からささやかな参加賞を頂く。小さいけど支笏湖の虹鱒。もしかしたら努力賞か、ロッドを折った残念賞かもしれないなぁ…そんなほっこりとした週末だった

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# by kaki1225h | 2017-04-02 13:45 | Comments(4)