<   2017年 06月 ( 3 )   > この月の画像一覧

2017.6.24 支笏湖で過ごす午後

支笏湖南岸で過ごした土曜の午後。季節は6月下旬、初夏だ。久しぶりの日中の釣りは、蝉の鳴き声を背に浴びながら夕暮れまで続いた。

e0363490_10571521.jpg


グレーの雲に覆われた空から時折太陽が顔をだす。向きの定まらない風は吹いたり止んだり。序盤はライズのひとつも見る事がなく、徒歩移動で崖下のいちばん奥へ。15時くらいから大きめなライズ音が散発で起こるが狙える程その数は多くはなく、狙いが定められずにいた。時に岸辺の木々の下だったり、シングルロッドではちょっと届かない沖だったり…。湖ではフライロッドを振りながら歩くのは鱒を散らしてしまうのか、あまりいい思いがなく、釣り座を構えてじっくり狙うスタイルをとっている。波の向きが左から右からと向きを変える中、その座が見つからない1日だった。

e0363490_11312150.jpg


時折ドキッとするフォームで水面を割るアメマスはなかなかのサイズが混じる。低番手のロッドならナイスファイトが楽しめるのでは…やがて旬を迎えるであろうモンカゲロウのシルエットを目で追いながら、そんな思いに更けっていた。

e0363490_11250910.jpg



シングル.WF6F

[PR]
by kaki1225h | 2017-06-25 10:51 | Comments(4)

2017.6.17 支笏湖.夜の話

夜の話だ。鼻をつままれても気付かない程の黒い湖岸をおそるおそる歩いた。思えば人一倍怖がりの自分が夜の支笏湖を訪れるなんて、まっとうな道から足を踏み外したのはいつだっただろう。
たっぷりと時間をかけて夜の空気を吸い込む。うまく言葉では言い表せないけど、そうすることで少しだけこの闇の世界に受け入れられる、そんな気がしている。ただの怖さ紛らわしだけど、黒が濃い夜にはいつもそうしている。

e0363490_23220212.jpg


夜はシンキングラインの釣りが通用しない。経験が足りないだけかもしれないが、あまりにも反応がないものだから今ではもっぱら浮かべている。実は水を吸ったフライが沈んでるのかもしれないが、それはそれでいいと思ってる。

支笏湖通いを幾夜も重ねると、鱒の気配濃厚な日がたまにある。森の音がしない湿った夜だ。そんな時は早々に鱒を釣り、長居せずに帰るようにしている。勿体ない気もするけど、早くこの場を離れたほうがいい、そんな雰囲気を肌で感じてのことだ。

e0363490_22443672.jpg


今夜は崖下の湾で粘った。先日、友人から送られてきた画像には67のブラウン、凪の夜だったようだ。ルアーでのヒットとあったが、フライでこんなサイズを釣りたいと根が生えたように粘った。
ライトをつけるのが怖くて、手元を照せるだけの小さなライトを頼ってフライを替える。なぜ怖いのかは考えないほうがいいと本能がいっている。
今夜は星空。ふくろうが背後の森で鳴いている。何度かラインが引かれる感触があるが乗らない。ピックアップ際には大きな何かが身をひるがえし去っていくのを気配で感じる。
夜は鱒を大胆にさせると思っていたけど、どうやら違うようだとやっと気がついた。太いティペットに真っ白な大きなフライをつけてヘビィなロッドでぶん投げる、夜に踊らされているのは自分だったようだ。
1度だけずっしりとした重量感がロッドに乗ったけど、すぐにフックオフ、願い叶わぬ夜がまたひとつ過ぎていった


シングル。WF6F

[PR]
by kaki1225h | 2017-06-18 10:47 | Comments(6)

2017.6.5~ 支笏湖.夜に鳴く鳥

夜の鳥が鳴いている。鵺、ヌエと言うらしい。正式にはトラツグミ、多分そんな名前だったと思うのだが、勝手に夜の鳥と呼んでいる。夜が更けてくると森の上の方からヒィーンと悲しげな鳴き声が真っ暗な湖畔に響き渡る。昔はその不気味な鳴き声が物の怪として恐れられたと何かで読んだことがあるけど、この音を聞くと夜の中の更に深いところに自分はいるんだなぁと感じて、何故か高揚感のようなものを感じている。

e0363490_21555796.jpg


支笏湖の夜は目がきかない。必要な情報は音が知らせてくれる。波が岩にぶつかる音の強弱でチャンスの到来を知ったり、枝の折れる音で背後にいる何かを想像したり…。時には聞きたくない音を拾ってしまうこともあるけれど、それら全てが夜の音だ。

6/5、崖下でダブルハンドを振る。暗闇が時間と空間の感覚を奪っていくのだけど、対岸の温泉街に小さく灯る明かりが自分の立ち位置を思い出させてくれるし、遠く東に目をやれば車のヘッドライトが線香花火のようにチラチラと揺れて見えては頭の中の時を動かしてくれる。
右側で一定の感覚で繰り返されるライズ、20分おき位だろうか。岸際すぎて木々がキャストを妨げるし、なにより近すぎてダブルハンドとスカジットラインではちょっと辛い。たまにロールキャストでフライを送り込んでみるけど、多分ラインを見てフライを回避してることだろう。

e0363490_22110500.jpg


Kencube.シューティングスペイ♯10 type.Ⅱ


6/8、雨上がりの南岸。前回と同じ崖下へ降りたのは19時過ぎだった。
リトリーブの釣りが好きだ。5月も上旬を過ぎるとそんな釣りに反応する鱒は極端に少なくなるのが例年のパターンだけど、しつこく引っ張り続けている。だけどボンズは嫌なので、今夜はとことん浮かべてやろうとドライフライを巻いてきた。希望やらこだわりやらを巻き込んだフライだ。もしかしたらこれまでの釣れなかった怨念のようなものまで入っているかもしれない。
車のクラクションが遠く上から響いてきた。カリカリしなさんな、そう心の中で呟きながらフライを結ぶ。
日中はけっこうな雨が降った筈、もしかしたら誰もロッドを出してないかも…いつもは素通りする近場にフライを浮かべてみる、正面、斜め左、左、と。4投目は岸際の岩の横へ。モコッと水面が盛り上がり、立てたロッドにズッシリとした重量感が乗った。

e0363490_22283468.jpg


♯6のフローティングラインにリーダー&ティペットは3X。いつもの夜に大物を狙うスタイルの1Xリーダーはこの日使わなかったのが良かったのか、やけにあっさり反応してくれた。メジャーをあてると60㎝。59.5に見えたのはここだけの話にしておこう。
まだ日は暮れていない。ナイトをやりにきたのが普通のイブニングになってしまったのだけど、深みに消えていく鱒を見送るとそれまでのガツガツしていた気持ちが無くなっていた。夜の鳥はまだ鳴いていないけど、ロッドを畳んで煙草に火をつけた。


シングル.WF6F
マドラー♯4


[PR]
by kaki1225h | 2017-06-09 23:07 | Comments(7)