釣りの小話.26【熊談話】

ここ数年は共に釣りに出かける友人が2人

向かうフィールドは季節によって概ね決まっている。それぞれが単独で釣行する時も、定番となっているフィールドへ足を運ぶことが多い

山で熊に会うのは怖い。でも遠くからその姿だけでも見てみたい。安全なところから...そんなふうに考えていた


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友人2人は計4回、熊に遭遇している。なのに同じ釣り場、同じ季節に釣行する私はその姿すら見たことがない

ある時、友人達から熊との遭遇談を聞いた。興味津々で聞いみたのだが、野生の熊をちょっと見てみたいなどという軽い考えは次第にしぼんでいった

2人の話を要約すると、必ず1人の時に遭遇している、鈴を装備していても遭遇している、誰もが入る釣り場での遭遇と、かなりデインジャーな内容に少し背筋が冷たくなった

特に鈴。こちらの存在を知らせる為、3人ともおよそ鈴とは思えない金額のものを装備している。小心者の私などは、違う音色のものを2つぶらさげて山に入る。かなり邪魔なのを我慢してだ。

ある夏の日、友人がジャリーン、ジャリーンの音とともに林道を歩いていた。見通しの悪いカーブを曲がったすぐ目前に熊が座っていたという。若い小型の熊は友人と目が合った瞬間に凄いスピードで藪の中へ消えていった。そんな経験を2回したという。

大きな熊も友人の前に姿を現している。季節になるとラフティング一行が何隻も下っていく流れがある。1人釣りあがっていた友人の50m程上流を熊が横断したという。こちらには気が付いていないようで、即引き返した友人が言う「あれはデカかった」。まるで大きな鱒をバラしたような口ぶりだった

たまたま鈴もカウンターアソールトも身に着けていなかった友人の少し下流にも熊が現れた。子連れの熊だ。対抗手段を持っていなかった友人の心拍数は一気に跳ねあがったといい、即座に撤退した車までの道程は生きた心地がしなかったという

熊が人の存在に気がついた瞬間に逃げ出すパターンと、熊が気づかず(もしかしたら気がついているかも)こちらが引き返すパターンがあったようだが、熊が接近してこなかったのは何よりだろう

以前は鈴、カウンターアソールト、鉈の3点セットが山に入る標準装備だった私だが、近年、何も持たずに山深くを釣リ歩くことが度々ある

友人達の熊談話は、そんな私の薄れかかっていた緊張感をギュッと締め直してくれたのだった


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by kaki1225h | 2016-08-29 23:31 | Comments(0)
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